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監督やクリエイターと協力し、アニメを作り上げる楽しさ

数々の大人気アニメの製作を手がけている株式会社アニプレックス。工学院大学の卒業生 山田温美さんは、プロデューサーとしてさまざまなクリエイターと協力しながら、アニメの企画・制作に携わっています。「大学時代の経験や学んだことのすべてが仕事に役立っている」と語る山田さんに、お仕事のやりがいや学生時代の経験についてお聞きしました。

株式会社アニプレックス
企画制作グループ 企画制作1部2課 山田 温美さん

入社3年目 / 企画職 / 情報学部情報通信工学科卒業 / アクセスネットワーク研究室(指導教員:杉山 隆利 教授)/趣味:登山、散歩、K-POPライブ鑑賞、韓国語の勉強
                  ※掲載内容は取材当時のものです。

Q1.株式会社アニプレックスではどのようなお仕事をされていますか?

アニメ製作のプロデューサーとして、監督や脚本家などクリエイターの方々と一緒に企画を考えています。また、アニメ制作に関わる仕事はもちろん、社内の宣伝担当や商品化担当、海外担当などさまざまな部署と連携し、どのように自社の作品をファンの方々に展開し、作品を大きくしていくかを検討しています。脚本会議に参加したり、宣伝担当と宣伝施策を考えたりすることもあります。

Q2. 現在の職業を選んだ理由は?

大学卒業後はIT企業にシステムエンジニアとして入社しましたが、2019年にそれまでと全く異なる業種である今の会社に転職しました。「死ぬときに後悔したくない」と思い、昔から大好きな漫画やアニメなどのエンターテインメントに関わる仕事をしたいと考えたのです。
そのなかでも、アニプレックスの新卒採用サイトの社員インタビューを読んだときに、全員が楽しそうに仕事をしていたのが印象深く残りました。さらに、数多くのアニメを製作し、幅広いビジネス展開をしている会社なので、やりたいことが実現できると感じて入社を決めました。

Q3. 仕事のやりがいや魅力は?

大好きなアニメを作るメンバーの一員になれることです。自分もアニメが大好きな人間なので、ひとりのファンとしてアイディアを考えている段階が特に楽しいです。
 アニメのシナリオを脚本家や監督と考える脚本会議では、どうすれば原作の魅力が視聴者に伝わるのかを考えてアイディアを練ります。宣伝会議ではアニメの魅力をたくさんの方に伝えて、作品を好きになってもらうためにどんなことをすればいいかを考えます。そうして携わったアニメがTVや映画館で流れ、「楽しかった」「元気が出た」とファンの方々に喜んでもらえたときに大きなやりがいを感じます。

ロケハンで沖縄に行きました

Q4. 今までの仕事で大変だったことは?

仕事そのものが好きなので、特に大変だと思うことはあまりありません。強いて言うなら、企画を考える仕事なので、やろうと思ったら無限に仕事ができてしまうところです。そのため、疲れたときは早めに仕事を切り上げて十分な睡眠をとるようにしています。また普段から友達とおいしいご飯を食べたり、ジムで体を動かしたりして、心身ともに健康を保つ工夫をしています。

Q5. 現在の仕事で必要と感じているスキルや能力は?

特別な知識や能力はいりませんが、アニメはひとりでは作れないので「ファンのことを考える気持ち」と「周りの人への感謝」は忘れないように心がけています。

Q6. 在学時に印象的な授業や役に立った授業はありますか?

総合文化科目で幅広い分野の授業を受講できたことは、今の仕事に役立っていると感じます。特に「宗教学」「経済学」「芸術学」「文学」などはアニメを作るうえでは欠かせない知識です。また、海外の社会問題や人権意識などもアニメ制作には必要なので、大学時代に学んでよかったと思います。

大学時代、当時好きだったアニメのキャラクターの誕生日を友達と祝いました。
今はアニメイベントを考えたり運営したりする側になるなんて、思いもしませんでした。

Q7. 仕事の中で、大学で学んだことが活かされていると思うことはありますか?

「衛星通信における帯域分散伝送のPAPR低減法の研究」というテーマで卒論を執筆したのですが、研究していく中で思っていた答えが出なかったときに、あきらめずに研究を続けた忍耐力は今の仕事でも生かされています。また研究以外の部分でも、研究発表の際のプレゼンテーション力、論理的思考力など指導教員である杉山先生に教わったことのすべてが社会人生活で大いに役立っていると感じます。

Q8. 就職活動のときに意識したことは?

大学の就職支援センターをしっかり利用していました。ESの書き方から面接練習までなんでもサポートしてくださるので、効率的に有意義な就活対策ができたと感じています。大学4年生のときは「大企業に就職したい」という思いが人一倍強かったので、大学2年生のころから自己分析などの準備を重ね、年上の人と話す練習をしていました。

Q9. 後輩たちへアドバイスをお願いします!

社会人よりも圧倒的に時間があるので、後悔のないように自分のやりたいことに時間を割くのがおすすめです。さまざまな経験を通して自分の向き不向きや新しい適性を知ることで、将来の選択肢も広がります。まずは自分の好きなことや興味のあることに精一杯取り組んでみるといいと思います。

屋久島旅行での1枚。社会人で長期休みを取ることはなかなか難しいので、時間のある大学生のうちに行けてよかったです。

在学時を振り返って……情報学部 杉山 隆利 教授から一言💡
山田さんは、私が工学院大学に赴任した初年度に配属となった研究室創設メンバーの一人です。持ち前の明るさと行動力で、ムードメーカーとして、現在の研究室の基礎を作り上げた功労者です。当時から考えるよりもまずは行動し、とにかく何事も早く終わらせて、空いた時間でプライベートを充実させながら頑張っていた姿が、今でも懐かしく思い出されます。研究が思うように進まない時も、弱音を吐きつつ最後までやり遂げる根気強さも持ち合わせていました。さらには、誰にも負けないコミュニケーション力で、誰とでも気兼ねなく話せる関係をすぐに構築していたことが、就活での面接やその後の業務にも活かされたことは間違いありません。
転職したとの知らせを聞いたときは正直驚きましたが、人との繋がりがより大切であると自覚している現在の業務において、研究室で学んだ論理的な思考が少なからず活かされているようなので、指導教員としてはとても嬉しく思います。これからも新しい道を自ら切り開くと共に後輩学生の良きお手本となるよう、益々の活躍を期待しています。

工学院大学は、135年の歴史の中で10万人以上の卒業生を輩出し、その多くがものづくり分野をはじめ、さまざまな業界で活躍しています。
先輩たちが歩んできた道を、将来を考える上での材料にしてみてくださいね。

次回の卒業生インタビューもお楽しみに!

情報学部 卒業生インタビュー

情報学部 内定者体験記

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