モノづくりへの熱い想いが商品開発の道へ-卒業生インタビューVol.4
オフィスチェアや電子部品など幅広い商品開発を行っているタカノ株式会社。学生フォーミュラやソーラーカーの外観設計に携わった経験を生かし、地元・長野県で働く村上さんにお話を伺いました。
Q1. タカノ株式会社でどのようなお仕事をされていますか?
入社以来、オフィスチェアの商品開発をしています。入社当初はオプション部品の担当が主でしたが、今では一つの製品テーマのリーダーも担当しております。設計だけではなく、全体の日程、品質や調達先との調整までマネジメントする必要があり、プロダクトのほぼすべての工程に携わる仕事をしています。
Q2. 仕事のやりがいや魅力は?
3DCADやCAEによるシミュレーション、3Dプリンター等、様々なツールを活用し設計を進めますが、実際に形になる際には様々な問題が発生します。数々の試練を乗り越えて、無事製品化され実際に使用されている場面を見かけると、わが子のように感じますし、それまでの苦労も忘れるほど達成感を感じます。
Q3. 今までの仕事で大変だったことは?
開発業務は常に時間との戦いで、納期に間に合わせることが非常に大変です。乗り越える方法は、現実に向き合い、確実に目の前の課題を一つ一つ潰すのみです。その際、とにかく周りを巻き込んで一人だけにならないことが大切だと思います。苦労を共有できる味方が多いとその分だけ精神面の負担は軽減すると思います。
Q4. 現在の仕事で必要と感じているスキルや能力は?
商品の利益の限界値も商品開発の仕事によって左右されますので、機械工学系の知識だけでなくコストを考慮した素材や製造方法を選定する知識や能力も必要になります。「我々がこの会社の利益を守る」という心構えも大切だと思います。
Q5. 仕事の中で、大学で学んだことが活かされていると思うことはありますか?
学生時代は、学生フォーミュラ4台、ソーラーカー1台の外観設計に携わりました。この頃が人生で一番がむしゃらにものつくりに熱中していた時期だったと思います。写真のフォーミュラカーはそのうちの1台です。
当初は学生フォーミュラで「かっこいい車を作りたい」と漠然に外装を作っていましたが、空力に出会い、機能に裏付けされた本当の美しさを追求するようになりました。最後に設計したソーラーカーでは集大成である空力性能を武器に世界大会でクラス2位という成績をとることが出来ました。決められたテーマの中で他よりも勝るものを作るこだわりは、今でも変わらずに持ち続けていると思います。
Q6. 工学院大学を卒業してよかったと思うことは?
学生プロジェクトに参加したことで、学業の方はあまり優秀な学生ではなかったのですが、様々な経験をさせてもらえて本当に良かったと思います。とくに伊藤学長と濱根教授には、本当にお世話になりました。また当時一緒に活動していたメンバーとの交友関係もいまだに続いているので、工学院大学に感じる「母校」という思いは強いと思います。
Q7. 後輩たちへアドバイスをお願いします!
興味を持ったことには、失敗を恐れずに挑戦してほしいです。私自身、失敗ばかりの学生生活でしたが、その分の成功体験を得ることが出来たと思います。劣等感や自己嫌悪を感じると消極的になってしまいがちですが、学生の内の失敗は社会に出ればちっぽけなものだと思いますので、ぜひ「これだけは負けない」と思えるような自分の強みを探す挑戦をしてみてください。
Q8. 今後の夢や展望を教えてください。
仕事では、今まで与えられたテーマをこなすことが主でしたが、今後は自分から提案、発信するようなことにも挑戦していきたいと思います。プライベートでは、家を建てたので、コロナが落ち着いたら素敵な庭でホームパーティーをするためにガーデニングを頑張っています。
工学院大学は、134年の歴史の中で10万人以上の卒業生を輩出し、その多くがものづくり分野をはじめ、さまざまな業界で活躍しています。
先輩たちが歩んできた道を、将来を考える上での材料にしてみてくださいね。
次回、卒業生インタビューは2月中旬に更新予定です。お楽しみに!
工学部 卒業生インタビュー
工学部 就職活動体験記