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外資系企業のエンジニアとして、カーナビ製品のオーディオやラジオを開発

ラジオやエンターテインメント、カメラを軸とした運転支援システムの開発を行う外資系企業フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社。学生時代に人間工学研究室に所属したことをきっかけに、人間と機械のインターフェイスの開発・設計に興味をもったという湯尾一美さんは、同社でカーナビ製品のオーディオやラジオの先行開発を行っています。「世界で活躍するエンジニアになることが目標です」と話す湯尾さんに、現在のお仕事や学生時代の過ごし方を伺いました。

フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
コックピットエレクトロニクス製品部 湯尾 一美さん

入社4年目 / 職種:R&D / システムデザイン専攻 / 人間工学研究室(指導教員:工学部機械工学科 菱田 博俊 准教授)/ 学科連合委員会 / 趣味:友人と食事、買い物、自分磨き
                  ※掲載内容は取材当時のものです。

Q1.フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社ではどのようなお仕事をされていますか?

コックピットエレクトロニクス製品部という部署に所属し、カーナビ製品の中のオーディオやラジオの部分の先行開発をしています。具体的な業務内容としては、より良いカーナビ製品を市場に出すために、新しい部品の性能評価や回路の検討、コスト比較などを行っています。それらをただ机上で検討するだけではなく、ときにはハンダゴテなどを使って基板を改造・作成して評価を実施することもあります。

Q2. 現在の職業を選んだ理由は?

大学院の時、人間工学研究室に所属していたので、人間と機械のインターフェースの開発・設計に興味がありました。そのなかでも車載機器は、自動運転化の時代に向けて技術が大きく進歩する業界だと感じたため、今の勤め先を選びました。また、とても温かい雰囲気の社員の方が多かったことも魅力的でした。

Q3. 仕事のやりがいや魅力は?

すでに市場に出ている製品の改良のために、これまで使ったことのない新しい部品を導入することがあります。このときには測定器を用いて、社内でまだ誰も扱ったことのない部品の性能評価を行い、導入可否の判断をします。責任重大ですが、とてもワクワクする仕事のひとつです。

Q4. 現在の仕事で必要と感じているスキルや能力は?

回路設計なので電気や部品に関する知識が必要です。1つの製品を完成させるという面においては、機械やソフトの知識も浅く広く求められると感じています。また、多少失敗しても諦めずに繰り返しチャレンジする心構えも大切です。

Q5. 在学時に印象的な授業や役に立った授業はありますか?

もともとものづくりに興味があったので、さまざまな授業を通じて製品ができるまでの過程を学べたことはとてもよかったです。また、その過程に色々な職種の人が関わっていることを知れたことも大きな経験になりました。印象に残っているのは失敗学の授業です。過去にどのような事故や失敗があったのかということだけでなく、多くの企業に事故や失敗の再発防止にむけた専門部署があり、原因分析やリスクの洗い出しをしていることなどを、知ることができました。自分が希望する職種のほかにも、さまざまな職種がある。そう感じられたことは、就職や将来の可能性を広げることにもつながったと感じています。

Q6. 仕事の中で、大学で学んだことが活かされていると思うことはありますか?

ECP abroad(海外研修)です。3週間ほどアメリカに留学し、現地の大学生と一緒に水力発電の研究を少しできたのですが、この経験は現在の業務にも大変役立っていると感じます。語学習得という意味ではもちろんですが、それ以外にアメリカの文化や物の見方、研究へ打ち込む姿勢を知ることができました。現在の勤務先は外資系企業なので、日々の業務の中でヨーロッパやアメリカ、中国、インドの方々と話す機会があります。その際に、各国の文化に関する知識が少しあるだけでも、コミュニケーションを円滑に進めるうえでの手助けになると実感します。

Q7. 就職活動のときに意識したことは?

就職支援センターで面接の練習を行い、ビジネスマナーなどの基本的な内容や企業の面接官が着目するポイントなどを詳しく教えていただきました。この経験を通じて、人事の方が欲しい人材像をイメージすることができ、就職活動時には、その人材像に自分の経験やスキルを当てはめることを意識しました。

Q8.工学院大学を卒業してよかったと思うことは?

私が在籍していた機械創造工学科とシステムデザイン専攻は、企業での勤務経験のある教授が多かったので、就職後も通用するようなスキルや知識をたくさん教えていただけました。学生時代から、より大きな世界を見たり、知ったりできることが工学院大学の魅力だと感じます。

Q9. 後輩たちへアドバイスをお願いします!

社会人になると、品質やコスト、納期を重視することが学生時代よりも大切になります。学生時代のうちに計画を立ててその通りに実行する力や、起きている事象を整理して一つひとつ原因と結びつけられるような論理的思考力が養われると良いと思います。
また、社会人になっても友達に助けられることはたくさんあり、本当に大切な存在です。私自身、在学中はあまり交流がなかった人と久しぶりに連絡を取り合い、卒業後により仲良くなるといった経験もありました。なので、なるべく多くの友達と連絡が取れる状態にしておくことをおすすめします!

Q10. 今後の夢や展望を教えてください。

仕事の面では、現在の部署でオーディオやラジオといった自分の専門分野を深く極め、社内のほかの部署でも多くのことを経験し、広く知識を持ったT型人間になりたいです。将来的には海外の社員とも活発に議論ができるような、世界で活躍するエンジニアになることを目標にしています。
プライベートでは、最近は家族と旅行に行くのが楽しみの1つなので、両親にお世話になった分、親孝行もしていきたいと思っています。仕事を楽しみながらキャリアアップし、プライベートも充実させて、いつまでも女性としていきいきと、楽しく生活をしていくのが夢です。

在学時を振り返って……生産工学研究室教授から一言💡
湯尾一美さんは、幼少期にお父様の仕事の関係でイギリスに滞在したことがあり、英語が非常に堪能です。その英語力を生かしたエンジニアになることを目指し、「工学英語」に力を入れていたグローバルエンジニアリング学部機械創造工学科に入学してきました。実は、学部4年と大学院のどちらも私の研究室ではなかったのですが、3年生の春休みに設置されていた学科の必修科目である海外留学プログラムで、引率としてしばらく米国で一緒に生活してから、いろいろと話をするようになりました。就職は、もともと興味のあった電気エレクトロニクス関連メーカーと英語力を生かせる企業をご自身で調べて、見事入社するに至っています。大学入学前から抱いていた夢を初志貫徹して着実に実力をつけてきた結果だと思います。
大学時代からよくお酒を飲むことがあり、大学のことや就職のことなど沢山話をした思い出があります。就職後も年に数回はご一緒することができていて、仕事の話なども楽しそうに聞かせてくれます。仕事で海外のエンジニアと直接やりとりすることも多いようで、同僚からも頼りにされているようです。これからも、堪能な英語力を生かし機械と電気の知識を駆使した優秀なエンジニアになっていくことを楽しみにしています。

工学院大学は、135年の歴史の中で10万人以上の卒業生を輩出し、その多くがものづくり分野をはじめ、さまざまな業界で活躍しています。
先輩たちが歩んできた道を、将来を考える上での材料にしてみてくださいね。

次回の卒業生インタビューもお楽しみに!




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