光デバイスで豊かな情報通信社会を実現する
世界初の海底光ファイバ通信用レーザを実用化し、最先端の光デバイスで豊かな情報通信社会の発展に貢献してきた日本ルメンタム株式会社。製品量産のためのプロセス開発を行う入社2年目の上原 麻衣子さんは、着工された製品の評価方法の検討や装置の立上げを担当しています。社会人になっても学び続けることを止めず、常に成長し続ける上原さんに、現在の職業を選んだ理由や今後の展望について伺いました。
Q1.日本ルメンタム株式会社ではどのようなお仕事をされていますか?
現在所属している部署は、製品量産のためのプロセス開発(実験と評価・分析を繰り返し、最適な工程を開発すること)をしています。私が所属するプロセス開発部第1課は半導体の結晶成長工程を担当しており、製品着工のプロセスはもちろん、着工された製品の評価方法の検討も行っています。また、工場で使用する装置を新しく導入するときには、装置の立上げも担当しています。入社して2年目ではありますが、現在までに1台の新営評価装置の立上げを行いました。現在その装置は製品量産における品質評価で使用されています。
Q2. 現在の職業を選んだ理由は?
新しいことにチャレンジしてみたかったことと、私たちの生活がより便利になるための業界かつ今後も大きな発展が見込める業界に飛び込んでいきたいと思ったからです。
日本ルメンタム株式会社の選考を受けるきっかけとなったのは、当社の会社説明会に参加した際、先輩社員座談会の中で研究開発を行うR&D部門の女性課長が「この業界は進歩が目まぐるしいからとても楽しい」と話されていたのが非常に印象的でした。それまで検討していた業界は他にもありましたが、変化を楽しんでいる技術者が活躍している日本ルメンタムは、日々大きな変化があるところで働きたいと考えていた私にぴったりだと確信し志望しました。
Q3. 仕事のやりがいや魅力は?
多くの部署の方々と連携を取り合いながら製品を作り上げていくところに魅力を感じています。各部署が担当する箇所を各々が責任をもち、総力で製品を作り上げていくことは学生時代に経験できなかったことだったため、とてもやりがいがあります。
Q4. 今までの仕事で大変だったことは?
学生時代に専攻していた分野とは全く違う業界であるため、知識の乏しさで苦労することは多くありますが、部署の方々の助けを得ながら日々勉強しています。各エンジニアが受け持つ業務は多岐に渡り、難しい課題が発生することも多く、大変なこともたくさんありますが、その分得られる経験・知識は豊富です。部署の方々がとても優しい方ばかりで大好きなので、少しでもみなさんの役に立ちたいという気持ちで頑張っています。また、仕事帰りや土日は趣味のストリートダンスを楽しんでリフレッシュしています。
Q5. 現在の仕事で必要と感じているスキルや能力は?
日本ルメンタムでは光半導体デバイスを設計・製造しているので、半導体や光エレクトロニクスなどの知識はもちろん必要なのですが、プロセスの課程では使用資材の物性をはじめ、物理、化学など幅広い知識が必要だと感じています。また、多数の部署と関わって仕事を進めるので、知識だけでなくコミュニケーション能力も欠かせません。特に技術職ならではですが、自分が担当している専門的なスキルや知識の話を、他部署の方に分かりやすく伝える能力も非常に重要です。
Q6. 在学時に印象的な授業や役に立った授業はありますか?
無機化学・有機化学・物理化学・分析化学が役に立ちました。分野外からきた私の持つ知識は会社で一切役に立たないのではないかと考えていましたが、プロセス原理、評価機器原理を理解する上で助けになることがありました。今はそのプロセス・評価機器に対する知識をもっと付けていく努力をしている最中ですが、近い将来、分野外の私だからこそ出せる、新しい切り口のアイディアを提案できたら、と考えています。
Q7.工学院大学を卒業してよかったと思うことは?
課題に対する粘り強さを身に着けることができたことです。在学時代、私は生物医化学研究室で、カニクイザルキチナーゼの酵素特性の解析を行っていました。初めは、生物医学的な視点から研究をしていましたが、実験を通して頑強な酵素活性を有する優れた酵素だと判明し、工業的な利用や農・医学領域における応用のための研究へとシフトしました。また研究完遂を目指し、博士課程の進学を決めるなど、課題解決への執着心は工学院大学での研究活動で培われたものだと断言できます。
Q8. 仕事の中で、大学で学んだことが活かされていると思うことはありますか?
研究活動を実施する上で、「無理」という言葉を使って自分の可能性を狭めることはしないと在学時に心がけていたことが、今の仕事への向き合い方に活きています。海外経験も研究経験も浅い修士1年生の時に、国内では取得できない実験データを求め、海外の研究室で研究することになりましたが、非常に良い経験でした。先輩に同行して頂き、自分のもつ能力よりも少し上のタスクに挑んだことで、「無謀かと思うことも自分の考え方と向き合い方次第で“可能”に出来る」と実際に体験できたことは私にとってとても大きかったと感じています。
在学中の成功体験は自分のことを評価してあげるためのきっかけとなり、そして自信に繋がります。何かに挑戦する時、大抵のことは失敗したって死ぬわけではありません。どんどん目の前に降ってきたチャンスに挑むことをおすすめします!
Q9. 就職活動のときに意識したことは?
説明会のときに積極的にコミュニケーションをとることを意識しました。どんな方々と働くことになるかをキャッチすることは非常に重要です。それを心がけて就職試験を受ける会社を選んだ結果、日本ルメンタムにたどり着き、現在人に恵まれた環境で仕事することが出来ています。
Q10. 後輩たちへアドバイスをお願いします!
人付き合いは重要だと感じています。大学時代の友達は学部卒業後も長く付き合っている方がたくさんいますし、研究室の先輩方とも今でも頻繁に連絡をとっています。別のフィールドであっても同年代の人たちが頑張っている様子を聞くと、自分も頑張らなくてはと鼓舞することができます。環境が変わっても、在学中と変わらずに切磋琢磨し合える存在は必要不可欠です。皆さんも今、傍で一緒に学んでいる友人たちをぜひ大切にしてください。
Q11. 今後の夢や展望を教えてください。
今は先輩方の指導を受けながら目の前の業務をこなすことに必死ですが、いずれは新しい製品のプロセス開発や合理的に品質管理を行っていくための新しい手法の確立など、中心となるような仕事をこなしていきたいです。
そのために、所属している部署で必要とされるプロセス、特に結晶成長と製品評価に使う分析法の原理に力を入れて知識を身に着けています。もちろん半導体や光エレクトロニクスの基礎知識の習得にも取り組んでいます。加えて、仕事の効率化やチャンス獲得の可能性を広げるために、英会話とプログラミングの学習もしています。社会人になっても学び続けることは止めず、日々成長し続けて、沢山のチャンスをつかみ取り、会社に貢献していこうと考えています。
仕事に力を入れる分、ご褒美にプライベートもしっかりと楽しみ、公私ともに充実させる人生にしたいです。
工学院大学は、135年の歴史の中で10万人以上の卒業生を輩出し、その多くがものづくり分野をはじめ、さまざまな業界で活躍しています。
先輩たちが歩んできた道を、将来を考える上での材料にしてみてくださいね。
次回の卒業生インタビューもお楽しみに!