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「目標は大きく設定」がポリシー。達成すれば喜びもひとしお #卒業生インタビュー

TOPPAN株式会社は、情報コミュニケーション事業、生活・産業事業、エレクトロニクス事業を展開しており、西谷美咲さんは業務設計を担当しています。学生の頃は情報学について学ぶ一方、化粧品業界に強い関心があったという西谷さんに、現在の職業を選んだ理由や業務内容、学生時代の思い出などについて伺いました。

TOPPAN株式会社
情報コミュニケーション事業本部 ソーシャルイノベーションセンター
公共BPO本部 設計開発部 設計1T
西谷 美咲さん

入社2年目/情報学部 システム数理学科卒業(経営情報システム研究室)/趣味:テニス、ピラティス
※掲載内容は取材当時(2024年3月)のものです。
※2023年4月システム数理学科は情報科学科へ名称変更しました。

Q1.現在までのキャリアについて教えてください。

 入社後は、中央省庁や地方公共団体を得意先とする公共BPO(※1)事業にPMO(※2)・業務設計メンバーとして携わってきました。今年4月以降は、化粧品メーカーや小売店を得意先とするビジネスプロデュース部門へ、企画職として異動予定です。

※1=ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略称。業務に関係する業務フロー・システム・人材の採用や教育まで含め、包括的に外部に委託することを意味します。業務の一部分を外部企業に委託するという意味のアウトソーシングよりも幅広く、業務について本質的な取り組みを行います。

※2=プロジェクト・マネジメント・オフィスの略称。企業や組織における個々のプロジェクトのマネジメントについて、横断的に支援する機能を持つ事務局を意味します。

Q2.現在のお仕事内容について教えてください。

 得意先や社内での調整を行うプロジェクト管理業務や業務フロー・手順の作成業務に従事しています。また、開発業務にも携わっており、システムの設計から実装・運用、データ分析まで幅広く担当させていただいております。通常業務の他には、所属部門が抱える課題に対して、自ら戦略を立案し、遂行する特命チームのメンバーも兼任しております。

 Q3.現在の職種には、どんな知識、能力、心構えが必要だと感じていますか?

 私が担う仕事を一言でいえば、「業務設計」となります。業務設計とは、業務全体のプロセスを細分化し、ミスなく効率的に業務が行えるよう、最適なフローを構築する仕事です。業務上、得意先や現場と密に連携し、情報収集や要件のすり合わせを詳細に行うことで、最適なフローを考案することが重要です。そのため、コミュニケーション能力や提案力、交渉力が求められます。また、近年はDX(※3)化も急速に進んでいるので、IT関連の知識も欠かせません。BPO業務では、さまざまなシステムやツールが導入されます。サーバーや情報セキュリティ、システム構築、DBなどの基礎知識があると役立ちます。

※3=デジタル・トランスフォーメーションの略称。デジタル技術の活用により、業務プロセスの改善に加え、製品やサービス、ビジネスモデル自体の改革、さらには組織や企業文化、風土まで改革を波及させ、他社との競争上において優位性を確立すること。

Q4.現在の勤め先や職種を選んだ理由をお聞かせください。

 学生時代に、大手化粧品メーカーの販売店舗スタッフとしてアルバイトをしていたこともあり、化粧品とそれを扱う業界への興味・関心を抱いていました。中でも、大学で学んだシステム開発やデータ利活用技術、マーケティングの知識を活かした「販促」の面から携わりたいという思いが強く、広大な顧客ネットワークを活かした独創的なマーケティングと技術開発を強みとするTOPPAN株式会社に惹かれ入社しました。

Q5.仕事の魅力とやりがいについて教えてください。

 業務設計、システム開発のどちらにおいても、ゼロから作り出すことは大きな苦労を伴いますが、達成できれば非常に大きな満足感も得られます。目標は大きく設定し、達成するために自分に足りないものがあれば、知識やスキルを可能な限り身に付けてトライしています。最近の取り組みでは、社内の「予実管理ツール」を構築しました。予定と実際の業務のズレをグラフで可視化するツールです。業務の遅れが事故に繋がらないよう、事前に把握できるように貢献できたと思います。また、特命チームの活動では、現状の課題を把握し、解決策を考案して、自らシステムの開発など行っています。自分で開発したものが実際に使用され、周囲から高評価をいただいたときは、やりがいを感じます。

Q6.大学で取り組んできたテーマを教えてください。

 もともと数学的な視点でマーケティングを学ぶために、情報学部 システム数理学科(現:情報科学科)を志望しました。卒業研究では、洋菓子専門店の購買促進を目的として、購買データを活用した顧客分析を行い、消費者一人ひとりにあった商品のレコメンド方法を考えるというテーマを取り扱いました。データ分析を行い、自分で改善策を講じるという意味では、現在の仕事と通じる部分が多いですね。

Q7.大学で印象に残っている授業や学びについて教えてください。

 印象に残っているのはプログラミング関連の授業です。なにしろ大学で初めて学ぶことですから、最初は苦労しました。1年次にC言語をしっかり学び、2・3年次で他の言語へと範囲を広げるカリキュラムでしたが、最初に基礎を定着させたのでその後は順調に学ぶことができました。プログラミングを始め、授業でわからないことがあれば先生やTA(※4)に積極的に質問していました。

 ※4=ティーチング・アシスタントの略称。授業の補助を担当する大学院生を意味します。

Q8.仕事の中で、大学で学んだことや身に付けたことが活かされたと感じた経験があれば、教えてください。

 語学力を身に付ける為に、ハイブリッド留学制度を活用し、アメリカ・ワシントン州のノースシアトル大学へ留学しました。約3ヶ月間のホームステイ生活でしたが、留学当初は英語が話せなかったため、ホストファミリーと意思の疎通ができず大変苦労しました。行動を起こさなければ現状を変えることはできないと思い、自分からホストファミリーに話しかけることや、典型的な英文を暗唱するなど、できることを留学期間中は徹底して続けていました。その結果、ホストファミリーと日常的な会話ができるようになるなど、コミュニケーション能力を身に付けることができました。留学で得た課題解決力やコミュニケーション能力は、今の仕事でも大いに役立っています。

留学先のシアトルで

Q9.授業以外で、学生時代の思い出について教えてください。

 当時は陸上競技部とテニスサークルに所属していました。テニスは中学・高校と続けてきたスポーツですが、陸上はまったくの未経験。周りの人に走り方を尋ねたり、自分のフォームを動画で確認したりしながら駅伝などの長距離走に取り組み、技術の向上に努めてきました。今でもテニスは続けていますし、ストレス発散のために走ることもあります。そのおかげで、体力に自信がつきました。

 Q10.就職活動において、意識したことや苦労したことはありますか?

 面接練習の徹底に努めました。就職キャリア支援センターや卒業生の方々にご協力いただき、以下のサイクルを繰り返し行っていました。
・本番同様の質疑応答
・フィードバックをいただく
・自分で内容を振り返り、反省点を書き出す
・次回の面接練習に備えて練習

練習を重ねたおかげで本番では緊張することなく、落ち着いて面接を受けることができました。

Q11.工学院大学を卒業してよかったと思うことがあれば、教えてください。

システム数理学科では、以下の3点について情報学の基礎から専門的な内容について学ぶことができました。
・経営戦略やマーケティング等の経営情報
・データ解析や統計・分析等のデータ科学
・システム構築やデータベース等の情報インフラ

工学院大学では、上記3つの分野について、バランスよく学習することができます。情報学の基礎から、情報を活かすための知識・スキルまで、一通り身に付けることができたため、大学で学んだことは現在の仕事でも大変役立っています。

Q12.今後の夢や展望をお聞かせください。

 今後は、主に化粧品メーカーや小売店を得意先とするビジネスプロデュース部門で、企画職としての業務が控えています。私にとって新たな挑戦であり、学生時代から興味を抱いていた化粧品の分野ですので、期待に胸を膨らませています。いずれは“化粧品×DX(※5)”をテーマに、自分の代表作といえるような製品を生み出したいです。化粧品業界で培った技術やスキルをもとに、業界を問わず他分野でも知見を広げて、出会った得意先のファンを増やせるようなビジネスプロデューサーになることを目指して、日々の仕事に取り組んでいきたいですね。

※5=顧客情報に基づいたオーダーメイドの化粧品、バーチャル空間を使った化粧品のお試し機能、化粧品開発のための顧客とのコミュニケーションツールなど、DXを用いた化粧品開発に向けたさまざまな取り組みを意味します。

Q13. 仕事について、新しく勉強していることやこれからの目標(キャリアプラン)を教えてください。

 Q12への回答に関連して、日本化粧品検定特級コスメコンシェルジュの資格を取得しました。キャリア全体についていえば、私は、時代の流れによって多様化する消費者のニーズを正確に把握し、そのニーズに応えるデジタル技術を活用した販促ツールを生み出すことで、世の中に新たな体験・価値を提供したいと考えています。そのために、最先端のデジタル技術の勉強や、マーケティング、化粧品関連の資格の取得、イベントへの参加など、日々知識の習得や情報収集に励んでいます。将来的には、自分が手掛けた製品が、消費者の手元に届く日がくるよう、精一杯頑張りたいと思います。

在学時を振り返って……情報学部 三木良雄先生から一言💡
今だから言える西谷さんの第一印象は”ポワ~ンとした子だなぁ、大丈夫かな?” でした。就職活動で色々と相談を受けた際にまず強味を聞き出さないとと思い、「今までにずっと続けてきたことは何?」と尋ねたところ、「テニスです」と答えてくれたので、「部長なんかも務めているから上手なんだね」と聞いたところ 「いいえ。あまり上手ではありません」という返球があったことを思い出します。「じゃあ何で役にも就いて長くやっているの?」と尋ねると「打たれ強く、耐えられるんです」とスピンのかかった強烈な答えが返ってきました。卒業研究では個人商店のPOSデータ分析がテーマでしたが、そもそも小売業の激戦の中で有効な提案が簡単に得られる訳もなく、研究室に来なくなることを心配しながらも「これだと論理的におかしいよね」などの指導を繰り返していましたが、全くへこたれる様子も無く、淡々と修正案を持ってくるのを見て、”テニスの話はこれかぁ”と感心しました。AIやDXが叫ばれる昨今お客様の期待が膨らみ過ぎる中で、真のソリューションを導き出すのは大変な仕事だと思いますが、彼女のポワ~ンと入ってきて、粘り強くお客様業務を聞き出す力は、BPO事業で強力な武器になるだろうと確信しています。

工学院大学は、136年の歴史の中で10万人以上の卒業生を輩出し、その多くがものづくり分野をはじめ、さまざまな業界で活躍しています。
先輩たちが歩んできた道を、将来を考える上での材料にしてみてくださいね。

次回の卒業生インタビューもお楽しみに!


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