世界トップクラスのシェアを誇る半導体製造装置メーカーで設計・開発を行う
世界最大の半導体製造装置メーカーである東京エレクトロン株式会社。
半導体製造装置やフラットパネルディスプレイ製造装置を開発・製造・販売しており、この分野でのシェアは国内首位、世界第3位の実績を持っています。ウェーハテスト装置のメカ設計・開発を担当する田辺さんに、現在の職業を選んだ理由や学生時代の経験についてお聞きしました。
Q1. 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ株式会社ではどのようなお仕事をされていますか?
私は、ウェーハテスト装置のメカ設計・開発を担当しています。半導体はプロセスの微細化、デバイスの高機能、高集積化が進められているため、ウェーハテスト装置の高性能化が求められています。ウェーハテストはデバイスにプローブと呼ばれる針を当てて行います。プローブを高精度で安定的にデバイスに当てることが可能な装置を開発しています。
Q2. 現在の職業を選んだ理由は?
大学卒業後は、産業用ロボットメーカーに就職してメカ設計を行いましたが、昨年5月に東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ株式会社に転職しました。同社は世界トップクラスの半導体製造装置メーカーであり、世界シェアトップの製品が数多くあるため、技術力も世界最高水準です。この環境にいれば世界最高の技術を学ぶことができると思い、入社を決めました。自分のアイデアが取り入れられることにやりがいを感じています。
Q3. 今までの仕事で大変だったことは?
半導体はプロセスの微細化、デバイスの高機能、高集積化が進められているため、ウェーハテスト装置の高性能化が求められています。様々な技術課題に対し、一人で悩まないように心がけ、他部署を巻き込んでたくさんの方の知恵を借りながら、早期の課題解決を目指しています。平日は仕事で忙しいため、休日はドライブをしたり、美味しいものを食べたり、体を動かしたりしてリフレッシュして過ごしています。
Q4. 現在の仕事で必要と感じているスキルや、業務の役に立っている授業はありますか?
現在の仕事では、物理学や機械設計の知識が必要ですが、それ以上に新しいことを学び続ける意欲と物事をやりきる力が重要だと感じています。
また、在学時に受講した実験系の科目が役立っています。仕事で実機検証などの実験を行うことがあり、実験の組み立て方(なぜ行い、どのような結果を期待していて、実際の結果がどうだったかのか)とレポートの書き方は大いに役立っています。
Q5. 仕事の中で、大学で学んだことが活かされていると思うことはありますか?
学会発表を通じて学んだ「伝える力」です。仕事をしていると社内外の人に自分の考えを伝える機会が多く、相手に正しく理解してもらうためのストーリーや資料作成は、研究室の時に鍛えていただきました。
また、興味のあった研究テーマを隅から隅まで手を付けたので、常に複数のテーマを実験していました。仕事も常に複数業務を同時並行で行う必要があり、研究室で鍛えられたマルチタスクの力が仕事に活きています。
Q6. 就職活動のときに意識したことは?
新卒の時は職種の選択肢が一番広く、どのような仕事に就くのか悩むタイミングだと思います。私の場合は職種を限定することなくさまざまな企業の1dayインターンシップや合同説明会に行って話を聞くことを意識しました。就職支援センターではエントリーシートの添削や面接の練習をしていただきました。積極的に活用することで、効率的に就職活動ができるはずです。
Q7. 工学院大学を卒業してよかったと思うことは?
大学での授業や研究、素晴らしい先生や先輩との出会いの全てが今の自分の基礎になっています。特に先生や先輩とは今も食事に行く仲で良い刺激をもらっています。応用物理学科の先生は学生との距離が近いので、積極的に交流をすれば、多くの学びを得ることができるはずです。学生は社会人よりも時間があります。ぜひ、後輩の皆さんには、趣味やアルバイト、課外活動など何でも良いので自分のやりたいことに挑戦してほしいです。
Q8. 今後の夢や展望を教えてください。
半導体業界は技術の進歩が非常に速い業界の一つです。エンジニアとして遅れないよう、日々技術や知識を磨き続けていきたいです。
また、私は社会人になってから初めて機械設計に触れ、転職して1年未満ということもあり、ウェーハテスト装置に関しても、機械設計についてもまだまだ勉強中です。今後、自分が開発するウェーハテスト装置を世に送り出したいと思っています。
工学院大学は、135年の歴史の中で10万人以上の卒業生を輩出し、その多くがものづくり分野をはじめ、さまざまな業界で活躍しています。
先輩たちが歩んできた道を、将来を考える上での材料にしてみてくださいね。
次回の卒業生インタビューもお楽しみに!