教育の現場を学び、仲間とともに教員としての未来を描く 工学院大学教師会
工学院大学では、これまでに1,000名を超える卒業生を教員として輩出してきました。その背景には、理工系の単科大学ならではの学生に寄り添った指導体制により、中等教育段階における理工系人材の育成に長年貢献してきました。
工学院大学教師会は、“交流の場を作って欲しい”という声をきっかけに、工学院大学で「教職課程を履修したすべての卒業生や現職教員、そして学生が交流する場」として2018年に設立されました。
本年度は約100名もの学生、現職教員、教員以外の卒業生が参加し、例年にも増して活気あふれるイベントとなりました。
今回のnoteでは、その時の様子をご紹介します。
開会式
教師会は、副学長の渡部隆史先生の挨拶からスタートしました。
渡部先生は、「普段あまり聞くことができない現場の生の声を聞いて今後に活かしてほしい」と語られ、会場全体が自由に意見を交わし合える前向きな雰囲気に包まれました。
教育の現場を知る
開会式に続いて行われたのは、参加者が4グループに分かれて9名のゲストスピーカーの先生方を訪問する「ワールドカフェ」です。各教室では、先生方が教育現場でのリアルな体験談を共有し、生徒との接し方や授業づくりの工夫、さらには教育の現場で直面する課題についても語られました。
学生たちは、先生方の言葉に真剣に耳を傾けながらも積極的に質問を投げかける姿が印象的でした。「学級運営の難しさ」や「生徒との距離感の取り方」についての質問に加え、「生徒との対応でうまくいかないときはどうしているか」「教員をやっていて辛かったことは?」「教職を学んでいた時と実際に働いた時のギャップ」など、実際の現場を意識した具体的な質問が次々と寄せられました。また、「配属先や時間割はどう決まるのか」「配属先が決まるまでの過ごし方は?」といった教員になるまでの具体的なプロセスに関する質問もあり、学生たちの関心の幅広さが感じられました。
先生方はそれぞれの経験を基に、具体的なエピソードを交えながら丁寧に回答。「生徒対応でうまくいかない時には同僚と相談することの重要性」や「辛い経験を乗り越えた先にある教員ならではのやりがい」についても触れられました。3年間を通して生徒たちの成長を見届ける喜びや、クラス運営を通じた日々のやり取りの中で築かれる信頼関係、さらには卒業後も続く生徒との絆など、教員だからこそ味わえる瞬間が語られると、学生たちは深く頷きながら、驚きや共感を覚えている様子でした。教室には、教育現場のリアルな話を通じて、教員という職業の意義や魅力を実感する学生たちの姿が広がっていました。
閉会式
閉会式ではまとめのセッションが行われ、参加した学生からは「教育実習では得られなかった、現場のよりリアルな声を聞くことができて大変参考になった。」や「改めて教師を目指したいという気持ちが強まりました。」といった前向きな感想が寄せられました。
また、登壇した先生からは「様々な質問を受け、自分を見つめ直す良い機会となった」との声があり、自身の教育観や日々の実践を振り返る契機となった様子でした。
閉会の挨拶では、三浦登先生の「この会は学校のリアルを知る貴重な機会であり、困ったときに助け合える仲間との繋がりを築く場になれば嬉しい」との言葉で締めくくられ、本会は多くの学びをもたらす充実した時間となりました。
懇親会
閉会式後には、懇親会が行われ、学科や卒業年次を超えた自由で和やかな交流の場が広がりました。この場では、参加者たちがリラックスした雰囲気の中で意見交換を行い、新たなつながりを築く姿が見られました。
「教育の現場」を知るだけでなく、多くの仲間とつながり、これからの教員としての在り方を考えるきっかけとなった本年度の教師会。参加者それぞれが得た学びや経験を活かし、未来の教育現場で大いに活躍していくことを期待しています。