ベスト7から表彰台へ!「全日本学生フォーミュラ大会」で歴代最高順位を目指す
工学院レーシングチーム(KRT)はフォーミュラカーの設計・製作を行い、年に一度の「学生フォーミュラ日本大会」に出場しています。
技術・知識の習得、マネジメント、製作管理、コスト管理を通して、ものづくりの基礎やエンジニアとしての思考を学んでいます。
昨年9月、3年ぶりに現地開催された「第20回学生フォーミュラ日本大会2022」では50以上のチームが参加する中、チーム歴代最高順位の総合7位を記録し、自動車工業会会長賞を受賞。2019年大会の35位から一気に一桁台へと駆け上がり、学内外から大きな注目を集めました。
今年は上位入賞が夢物語ではなくなったKRT。8月28日から9月2日に開催される「第21回学生フォーミュラ日本大会2023」へ出場し、表彰台を狙います。大会を目前に控えたKRTのみなさんに、意気込みを伺いました。
―2022大会では、チーム最高順位を記録し、大躍進の1年でしたね!振り返ってみると、どうでしたか?
リーダー 山邉さん:
自分たちの努力が報われたことへの安心感とともに、今まで私たちを支えてくれたOB、スポンサー、大学関係者の皆様、チームの上級生・仲間達への感謝の気持ちでいっぱいでした。
メンバー一人一人の上位入賞を狙う気持ちの強さが、最高順位を実現したと思っています!
テクニカルディレクター 長野さん:
最高順位を記録できたのですが、車両技術の改善点も多く、次はもっとこうしようということがずっと頭にあり、うれしいというよりも早く次の車両を造ろうという気持ちの方が強かったのを覚えています。
―近年の活動を振り返ると、2019年の学生フォーミュラ日本大会では総合35位で、悔しい思いをされたと思います。
次の2022年大会まで、コロナ禍で活動制限がある中でのチームの立て直しは大変でしたね。
リーダー 山邉さん:
コロナによる活動制限で、思うように車両開発が行えないこと、対面でのミーティングができず円滑なコミュニケーションがなかなか実現しなかったことが大変でした。
2020年から2年間は、感染拡大防止のために毎年開催されてきた大会も中止に。大会に参加したことがない後輩にまで、車両完成に向けて共通のビジョンを持ってもらうことが課題でした。
―その状況の乗り越えるために頑張ってきたこと、チーム内で意識してきたことを教えてください。
リーダー 山邉さん:
対面での活動が制限されている間はオンラインでも毎週の定例ミーティングを行い、進捗状況を共有しました。また、過去大会の走行映像をメンバー内で共有し、チームが目指す車両のイメージを全員が持てるように努めました。
テクニカルディレクター 長野さん:
チーム内で目標達成に向けたビジョンの共有を積極的に行うことで、その日に何をすべきかを明確にし、一日一日を無駄にしないよう意識して行動していました。
―2023年大会でさらに上位を目指すために、どのような対策をしていますか?
リーダー 山邉さん:
チーム運営では、開発工程とテスト工程を各作業ごとに行うV字モデルに則った開発とPDCAサイクルの繰り返しを大切にしています。
定めた目標からトップダウンで車両の各要素へ落とし込み、設計の意図や部品に必要な性能を確実に共有していきました。PDCAサイクルを回していく中で、よりよいものを作ることをメンバー全体で意識しました。
テクニカルディレクター 長野さん:
昨年の改善点の一つに、シェイクダウン(車両完成)が遅れたことがあります。これにより、車両の性能テストの日程が大幅に詰まってしまい、予定していた試験が行えないまま大会に臨むことになってしまいました。
今年は、スケジュールを細分化し、作業内容を可視化して共有することで物事が遅滞なく進むようにしています。
―2023年大会の車両の特徴、強みを教えてください!
テクニカルディレクター 長野さん:
「パワフルきびきび」をマシンコンセプトにしてから3年目の車両となり、昨年とは段違いのスペックを持っています。パーツ配置の位置関係を大幅に改善することで、車両の過渡性能が向上しました。車両を昨年より10kg軽量化し、より速い加速、コーナリング性能を実現しています。
―KRTの活動の楽しさを教えてください。
テクニカルディレクター 長野さん:
自らが設計、製作したものが形となり、実際に走った時に楽しさを感じます!他大学のチーム、スポンサー企業、車が好きな人との会話の中で、自分の学んだ知識が繋がった時や新しい発見ができた時に刺激を感じます。
1年生 矢崎さん:
自分が設計したものが実際に形になった時に、ものづくりの楽しさを一番感じます。車両が初めて走った瞬間に、とても感動したのを今でも覚えています。
―今年のチームの雰囲気や強みを教えてください。
リーダー 山邉さん:
今年のチームは、表彰台入賞という目標に対してメンバー一人一人が真摯に向き合っています。より良いチーム、より速い車両を目指すには何をすべきか、常に模索している環境が強みです。
1年生 矢崎さん:
分からないことはすぐ先輩方に聞くことができますし、1年生でもやる気があればどんどん仕事がもらえます。勝ちたいというチームの雰囲気を1年生ながらに感じることができるのもKRTの魅力だと思います。
―応援してくださるみなさんに向けて、意気込みをお願いします!
リーダー 山邉さん:
今年度の大会では表彰台入賞を目指し、勇猛果敢にタイムを狙っていきます。ドライバーの熱い走りとメンバー一人一人の思いのこもった傑作、「KRT23」の走りを是非ともご覧いただきたいです。
テクニカルディレクター 長野さん:
今年の車両は「パワフルきびきび」の「きびきび」にあたる部分が、大きく進化しています。エンデュランスではトップ6に入り、総合3位を目指します。昨年に引き続き、歴代最高順位を更新するので、応援よろしくお願いいたします!
1年生 矢崎さん:
先輩方にアドバイスをいただき、1年生ながら車両の部品を少し作らせてもらいました。試行錯誤しながら完璧な部品を製作できたと自負しています。そんな車両が走る姿を是非見ていただきたいです。
約1ヵ月後に迫った「第21回学生フォーミュラ日本大会2023」。歴代最高順位を目指すKRTの応援をよろしくお願いいたします!
8/21に新車両お披露目会を開催します!
大会に先立ち、8月21日(月)に2023年大会に出場する新車両お披露目会を開催します。是非お越しください!