
【自己啓発制度】利用者に聞く 学びの支援と活用の実態
こんにちは!
工学院大学採用担当です。
今回のnoteでは、本学の「自己啓発補助制度」について紹介します!
【自己啓発補助制度】
専任事務職員の自己啓発を支援するため、業務に関する勉強や研修に最大5万円/年の補助をする制度です。
事前申請をすることで、以下の様な出費を学園負担にすることができます。
例)学習のためのテキストや問題集等の購入 、資格試験に合格した際の受験料やその際の交通費、研修・セミナーへの参加費と交通費
部署で指示される研修ではなく、職員個人が自己研鑽のために行ったことに補助が出ることがポイントです!
2023年から実施しているこの制度、最大限に活用して自分のスキルを磨こうという職員3人にお話しを聞いてきました。学びを続ける社会人の姿を皆さんにお届けしたいと思います。
自己研鑽で切り拓く、学術情報流通の最前線

氏名:Kさん
入職年度:2023年(中途入職)
所属:情報システム部
ー日頃どんな業務を担当していますか?
主にデータベース、電子ジャーナルの契約・管理やオープンサイエンスの推進に取り組んでいます。オープンサイエンスとは、平たく言えば既存の研究成果やデータを誰もが自由にアクセスして再利用できるようにする取り組みのことで、大学図書館に求められている新たな役割の1つです。大学図書館は電子資料の普及やデータ駆動型社会の到来に伴い、今や冊子体の資料をただ収集するだけではなくなっています。本学の「学術情報センター工手の泉」が、知識の源泉として新たな知識の創出を担う施設へと生まれ変わったのもその一例で、学術研究の発展のために日々さまざまなことに取り組んでいます。
ー図書館の中で大学の研究発展に関わる業務なんですね。何の研修でこの制度を利用しましたか?
研究データ管理(Research Data Management)に関する国内外の文献の購入費や研究集会への参加費に充てるため、本制度を利用しました。本制度は資格や書籍、研修と幅広く活用することができ、学園負担で自身のキャリアを拡げられるため、大変有意義な制度です。
ー研究データ管理とは何でしょう?
オープンサイエンスの一環として、学術機関が研究の始まりから終わりまで、人的支援や管理基盤支援によって、研究者を組織的に支援する取り組みです。欧米を中心とした諸外国に比べ、日本ではまだ十分に浸透していないのが現状です。そこで、海外文献の購読で知識を深めたり、研究集会に参加したりして積極的に学修を行いました。
ーどうしてその分野を学ぼうと思ったのですか?
近年、世界的にオープンサイエンスへの関心が高まっており、研究成果だけではなく研究データそのものを公開・共有する動きが強まっています。日本でも欧米を中心とした諸外国に倣い、研究助成機関から研究データ管理が求められています。そのため、国際的な潮流を学修することによって、本学におけるオープンサイエンスの推進に寄与したいと考えました。
ー業務を通して自己啓発の内容が役に立った実感はありますか?
研究データポリシー策定において、関係者との折衝を行う上で役立ちました。研究データポリシーとは、各大学が研究データに対して組織的にどのように責任をもって取り組んでいるかを対外的に示す方針のことで、オープンサイエンスの推進や研究公正の観点から各研究機関で策定が求められています。研究の主体はあくまでも研究者であるため、諸外国での先進的な事例を学修することによって、学内での意見調整に役立ちました。
ー今後こんな自己啓発に挑戦してみたい!という思いはありますか?
現在、URA(University Research Administrator)研修に取り組んでいます。オープンサイエンスの潮流によって、大学図書館は学内で生み出される学術情報を取り扱う機会がさらに増えることが予想されます。そのため、従来は研究支援部門が中心に扱ってきた領域に関する知識も深め、学術情報流通について広く理解したいと考えています。
そして今後は、記録管理学(アーカイブズ学)に関する学修に挑戦してみたいと考えています。研究データを長期的に収集・保存していくには、情報資源のマネジメントに関する知識が必要だと考えています。そのため、これまで業務で携わってきた以外の関連領域についても、積極的に学修することによって自身のキャリアの幅を広げていきたいと考えています。
ー就活生へメッセージをお願いします!
就職活動ではキャリアセンターに加えて、図書館もぜひ活用してください。図書館では、業界分析や企業分析に役立つ信頼性の高い資料やネットでは見つからない貴重な資料を所蔵しています。例えば、各大学や企業の周年史には、各法人のアイデンティティが記されており、これらは一般に商業流通していないことがほとんどです。つまり、図書館だからこそ手に入る情報だとも言えます。誰もが簡単にネットで情報を手に入れられる時代だからこそ、情報を吟味し、自分にしか書けない応募書類を目指してください。
研修担当が実感する学びの大切さ

氏名:Mさん
入職年度:2015年
所属:総務・人事部人事課
ー日頃どんな業務を担当していますか?
人事課で給与支払、年末調整、人件費予算策定、人事給与・勤怠管理システムに関するベンダーコントロール、教職員の研修業務などを担当しています。
ー何の資格でこの制度を利用しましたか?
簿記3級とFP(ファイナンシャルプランナー)3級の受験と、勉強用の書籍の購入です。簿記3級は経理や会計の基本的な知識、FP3級はお金に関する知識が幅広く問われる資格です。
ーどちらもお金に関わる資格ですね。
この資格を勉強した理由は、昨年から人事課に異動し担当する業務が増える中で、先輩職員の知識の豊富さと自身の知識不足を痛感し、より広く基礎から学びたいと感じたからです。昨年は人事・労務系を担当していて、先輩職員に衛生管理者の資格を勧めてもらい、業務別研修(※)の制度で取得をしました。そこで人事・労務系の知識をある程度広く身につけることはできたのですが、担当している業務の知識をしっかり学ぶ重要性を痛感しました。
また、自分自身が研修担当として皆さんからの申請を受ける中で、職員の皆さんが色々な自己啓発に取り組んでいることに気づき、刺激を受けたことも一つの理由です。
※業務別研修:業務上必要で専門的な事項の研修は、部署長の指示を受けて業務として参加することができます。
ー業務を通して自己啓発の内容が役に立った実感はありますか?
例えば、年末調整業務では、前提として所得控除や税額控除の知識が必要になりますが、資格学習を通して体系的に学ぶことができたので、定額減税や住民税など、業務を関連付けて理解できたと感じています。日常のことで言えば、ふるさと納税の限度額を自分で計算できるようになりました(笑)。
ー今後こんな自己啓発に挑戦してみたい!という思いはありますか?
簿記2級・FP2級の勉強には引き続き取り組んでいます。
また、具体的ではないのですが、これから生まれ発展する、新しい技術に関する知識は学んでおきたいと思っています。新しい概念やツールが次々に誕生する時代なので、最先端の技術を正しい理解で使いたいと思います。
ー就活生へメッセージをお願いします!
大学職員の多くには、絶対に必要な資格はありません。ただ逆に、好きなことを学んでそれを活かせばよいし、何かを学び続ける姿勢は必要だと思っています。
研修担当としては、若い皆さんのやる気を後押ししたいと思いますし、学びやすい制度を用意したいと思っています。この自己啓発補助制度自体も、研修担当の先輩職員が作ってくれた制度です。
学生や生徒にとっての成長の場を支える大学職員として、一緒に成長していけることを期待しています。
学びを重ね、より良い教育環境づくりへ

氏名:Oさん
入職年度:2010年
所属:施設部施設課
ー日頃どんな業務を担当していますか?
八王子キャンパス内の多種多様な施設に関する計画、施行から保全等の業務全般を担っています。
八王子キャンパスには19号館までの建物や、体育館・グラウンドなどがあり、幅広く目を配る必要があります。
ー何の資格でこの制度を利用しましたか?
一級建築士、電気主任技術者3種、建築物環境衛生管理技術者などを取得しました。
一級建築士は建物の設計や工事監理を行う資格で、どんな規模の建物も設計・監理できます。
電気主任技術者3種は建物や工場の電気設備を安全に管理・運転する資格ですね。電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の保守管理・保安監督ができるようになります。
建築物環境衛生管理技術者は建物にまつわる法令や管理基準に基づき、管理業務計画の立案から検査測定等を行い、環境衛生を維持する人の資格です。
ー施設課の業務に直結しそうな資格ですね。
そうですね。業務に必要な知識・リテラシーを身に着けることができました。施設課の業務は建築物や設備に関する専門的な知識が必要ですし、間違いがあると利用者の身に影響が及びかねません。資格取得で学んだ知識を業務に活かしていると感じています。
ー今後こんな自己啓発に挑戦してみたい!という思いはありますか?
ITスキルを身につけることで、業務の効率化だけでなく、新しい教育環境の整備にも役立てたいと考えています。施設課の業務では、単に既存の建物を管理するだけでなく、八王子キャンパスの敷地を最大限に活用し、新たな価値や使い方を提案・実現することが求められます。
大学として、教員や学生の勉強・研究を後押しする環境を整えるためにも、ITスキルを活用し、より良いキャンパスづくりに貢献していきたいと考えています。
ー就活生へメッセージをお願いします!
本学には、入職してからもスキルアップできる制度が整っています。是非活用してみてください。
<インタビュアー編集後記>
今回のnoteでは、本学の自己啓発制度を活用している職員のインタビューをお届けしました。
取材を通じて、より良い仕事をするために学び続ける職員の姿を目の当たりにし、大きな刺激を受けました。私自身も人事課員として必要な知識を身につけなければならないと改めて感じるとともに、「自ら学ぶ意欲のある職員にとって利用しやすい制度とは何か?」を考える機会にもなりました。
就職活動中の皆さんも、大学での勉強や研究に励んでいることと思います。社会人になってからも学び続ける職員の姿に、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今後も、工学院大学 新卒採用noteでは、職員のリアルな姿をお届けしていきます。また、職員採用情報サイトでは、職員の1日の流れや勤務条件、「数字でみる本学」など、より詳しい情報をご覧いただけます。ご興味のある方は、ぜひ併せてご覧ください。