最新設備で自由な学びをサポートする 学術情報センター「工手の泉」
2023年春、図書館機能と情報教育機能を融合させた「学術情報センター工手の泉」が誕生しました。2Fスペースは最新の学習設備とカフェエリアが調和した居心地の良い空間「Izumi」にリニューアル。3Fのライブラリと併せて、一人ひとりのスタイルに合わせた使い方ができる自由度の高い施設です。
「Izumi」は人々が共に創造的な活動を展開できる空間として設計されており、奥に進むにつれて段階的に集中しやすくなるよう工夫されています。入口付近にはドリンクサーバーやカラフルなソファが、中間にはグループディスカッションができる空間があり、3階への階段を上がると、一人で静かに集中できるライブラリに辿り着きます。
デジタル設備は工学院大学のBYOD(Bring Your Own Device)に対応しており、自身のPCからデータ共有を行えます。本記事では、Izumiの魅力とその活用方法をご紹介します!
18面の巨大マルチモニター
2F「Izumi pavilion」の壁一面に設置された18面マルチモニター(縦2m×横7m)は、授業やゼミ、イベントなどに活用できる最新の設備です。建築物のモデルや図面を原寸大に近いサイズで表示できるため、スケールや雰囲気をリアルに体感できるのが特徴です。複数画面を同時に表示でき、議論の活性化やチーム作業の効率化に役立っています。
デジタル環境を備えた学習スペース
Izumi中央の学習スペースには、専用ペンで書き込みができるプロジェクターやマルチモニターが設置されました。PDF保存も可能で、図面メモや化学式を書き込んだデータを各自のPCに転送できます。
大画面で使用できるマルチモニターのほか、卓上型プロジェクター、ポスター発表練習に適した壁面型プロジェクターなど、様々な用途に対応できる機器が導入されています。
一部エリアの頭上には周囲の騒音を聞こえにくくするサウンドマスキング機能も導入され、集中力を高める効果があります。施設の奥には大判プリンターと高さ調整が可能なテーブルを完備。ポスター発表練習や、俯瞰や仰視を行う建築模型の製作などに利用されています。
ほっと一息できるカフェエリア
勉強に疲れたとき、気軽に利用できるカフェエリアも新設。夏は炭酸ドリンクが、冬はコーンスープやホットレモネードが好評です。バナナショコララテ人気が急上昇し、Izumi内に甘い香りが漂ったことも。リッチな専用サーバーから提供されるコーヒーは評判が良く、ドリンクだけを買いに来る人もいるほど。バーカウンター風のテーブルでガラス越しにアトリウムを見下ろせる、おしゃれな空間です。
様々なイベントに活用できる柔軟性
Izumiは可動式の家具や電子機器を導入しており、レイアウト変更により広いスペースを確保できます。学内防災訓練や座談会、受験生の入試面接など、イベントの開催場所として頻繁に活用されています。
知識の扉を開こう!ライブラリ活用術
3Fライブラリはオンライン上の機能と連携しつつ、リニューアル以前の落ち着いた雰囲気を残しています。Izumiスタッフのお二人にライブラリの使い方をお聞きしました!
―どんな種類の本が多く貸出されていますか?
物理学やシステムの基本原理に関する基礎的な資料は、初歩から解説されており、講義の予習や復習に役立つ参考書として重宝されています。
工手の泉HPの「学部学科別パスファインダー」は、専門分野の資料や学科別の調べ方を紹介しています。論文や授業で出てくる専門用語の索引にご活用ください。
―オンライン図書館は具体的にどんな機能なのでしょうか。
「LibrariE」と「Maruzen eBook Library」の2つの電子図書館サービスを提供しています。LibrariEは、小説や資格試験の参考書、就職活動に役立つ書籍を取り揃えており、用途に合わせて幅広く利用できる点が魅力です。図書は貸出期間を過ぎると自動返却されるため、返し忘れがなく便利です。一方、Maruzen eBook Libraryは、学術書や専門書を揃えており、専門的な深い学びに役立ちます。
―KOGAKUIN SEARCHについて教えてください。
KOGAKUIN SEARCHとは、さまざまな資料を一度に調べられる高度な検索サービスです。例えば大学の所蔵資料や、大学契約の電子ジャーナル、Maruzen eBook Library、各種学術データベースの論文等、複数の資料をまとめて探すことができます。
電子・冊子の両方に対応し、一部は本文まで検索対象となるため、曖昧なキーワードでもスムーズに情報を見つけられます。大学にない資料も検索画面から取り寄せでき、論文のオルトメトリクス(論文の社会的な影響度を示す指標)も確認できます。文献情報は多様なフォーマットで出力でき、論文作成に役立ちます。
KOGAKUIN SEARCHは一般的なインターネット検索では得られない学術情報を提供し、調査研究をサポートします。「どこから調べたらよいか分からない」「効率的に情報を集めたい」といった方に最適なツールです。
―実はあまり知られていない便利な機能はありますか?
工手の泉HPにある「WEB書棚」は、実際の本棚を見て回るように本の背表紙を一覧できる便利機能です。分野ごとの関連書籍も一緒に表示されるため、求めていた情報にぴったりの本が予想外に見つかるかもしれません。他にも2階入り口の遠隔窓口を利用すれば、他のフロアに行かずとも、大学の資料や電子機器に関することを専門スタッフに質問できます。
―人気の小説やおすすめの本について教えてください。
最近人気の高かった小説は「レモンと殺人鬼」(著者名:くわがき あゆ)です。一時期、館内で特集をしていたため、多くの学生の目に留まりました。
おすすめの本は「俺たちの箱根駅伝」(著者名:池井戸潤)です。緻密に構築された各々の人間ドラマが箱根駅伝という栄光の舞台で広がり、繋がり、駆け抜ける――!「半沢直樹」や「下町ロケット」で知られる池井戸潤氏が描く、“敗北者たちの逆転劇”が見事に紡がれた傑作です。
―工手の泉ライブラリの魅力について教えてください。
落ち着いた空間で自分のペースで過ごせるのが魅力だと思います。調べものや勉強はもちろん、小説や雑誌でリラックスしたり、館内で借りられる映画でひと息ついたりと、自由な使い方ができます。ライブラリには司書が常駐しており、図書や論文検索の相談のほか、館内ツールの使い方も丁寧に説明します。授業の合間にIzumiで勉強してみると、意外と作業がはかどるかもしれません。
―これから利用する学生たちに向けてメッセージをお願いします。
「Libraries are not made, they grow.(図書館は作られるものではなく、成長するものだ)」--Augustine Birrell この言葉が示すように、図書館は成長する施設です。工手の泉ライブラリは最新の学術情報や学習空間を整え、変化するニーズに今後も応えていきます。進化を続けるこのライブラリを、あなたの学びの拠点にしてみてください!
▼工学院大学のYouTubeチャンネルでは、「Action!」をキーワードに、大学内の研究や課外活動の情報を発信しています。学生や教員の活動、研究室の様子をご紹介していますので、ぜひご覧ください。