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「もの」と「かんきょう」が調和したパビリオンを設計 Shinjuku Pavillion2024

建築デザイン学科 伊藤研究室で、研究室に入った3年生が最初に取り組む研究課題「Shinjuku Pavillion」。新宿キャンパスに隣接する広場に、仮設の展示物(パビリオン)を設計し、模型を作成します。
今年度は、学生からの提案で伊藤研究室として初めての展示会を開催。設計の根底にある“「もの」と「かんきょう」”の考えが詰まった魅力的なシートや模型が展示されました。

今回のnote企画では、伊藤博之先生と研究室の学生3名に企画の趣旨や作品の見どころを伺いました。

インタビューに答えてくれた 脇川凱さん(左)、三上翔三さん(中央)、中野澪さん(右)

「Shinjuku Pavillion」とは?

ー「Shinjuku Pavillion」はどんな企画ですか?

伊藤先生:
学生一人一人が実際に作るつもりで具体的な素材からパビリオンを計画し、建築模型として形にする研究課題です。
設置位置は、新宿キャンパスに隣接するエステックビルの広場。
カフェスペースがあること具体的に何で作るかを考えること環境問題に配慮すること、3つの計画条件のもとパビリオンを考えます。

-この研究課題を出した意図について教えてください。

伊藤先生:
一般の課題では、CGを使い「どのような建物を作るのか」、つまりどんな部屋があって何階建てで、どのような外観で、どのような人が使うのかということを計画することが求められます。
しかし、重力に逆らって箱を作ることも建築の本質の一つです。CGのような無重力の世界で、かっこよくて抽象的な作品を作るのではなく、どのような素材で、どうやって作るのかを考え、地に足ついたデザインを模型で作ることも大切だと考えます。この研究課題を通じて、学生たちにはリアルでフィジカルな建築を体で感じてほしいです。

展示では、研究室の学生にも身近な広場を敷地に、多種多様なパビリオンが提案されました。ここからは、学生3名の作品を紹介します。

題:「みえないものをみようとして」

制作:脇川 凱

ー作品について教えてください。

脇川さん:
私は、目に見えない風を「媒介」として、人と地球を結び付けることができるパビリオンを作成しました。高層ビルが多く建つ西新宿では、時に強いビル風が吹きます。このような敷地の特性にも注目しました。
固定された柱(紙管)と風の流れで揺らいで動く植栽の対比で、風を視覚化するためのレイアウトを表現しました。ここは特に、こだわったポイントです。

垂直に柱(紙管)を立てる作業が今回の制作で1番難しかったそうです。

ーこの作品を作ろうと思ったのはなぜですか?

脇川さん:
今回の環境配慮という条件を、私は地球に思いをはせることではないかと考えました。地球という漠然としたものに対して、身体的な感覚で地球を感じられるようにするためには、地球の動きである風を感じるだけではなく、目に見えるようにしたら、もっと人と地球の距離が近づくのではないかと考え、このパビリオンを作りました。
環境配慮に関しては、素材にもこだわっていて、循環する素材である木や古紙を原料とする紙を選びました。紙を使用することで、CO2を新たに排出することなく、環境負荷を抑えることができます。

ー伊藤先生のコメント

ネガティブな印象をもたれやすいビル風をうまく制御しながら活用し、楽しめるようなものに変えられているところがこの作品の良いところだと思います。

題:「都市でキャンプする」

制作:中野 澪

ー作品について教えてください。

中野さん:
ゴミという資源に囲まれた非日常的な空間を作ることで、「都市でキャンプすることの可能性」を表現しました。

竹の構造を参考にして作ったペットボトルの組み合わせが注目ポイントです。

竹の構造を参考にしたペットボトルの骨組み

ーこの作品を作ろうと思ったのはなぜですか?

中野さん:
都市では普通出来ないことをしたいと考え、キャンプを思いつきました。
また、環境配慮については大量に生産され消費される服やペットボトルのゴミといった身近なものを利用しようと思い、テントの骨組みをペットボトル、シートの部分を服で作成しました。

ー伊藤先生のコメント

伊藤先生:
新宿で大量に発生するペットボトルを再利用し、接着剤などを使わずにペットボトルの組み合わせだけで作る構造など、課題の趣旨にぴったりな素敵な作品に仕上がっています。

題:「Soil Action」

制作:三上 翔三

ー三上さんが設計した作品について教えてください。

三上さん:
「人工に囲まれた新宿に自然を取り戻す」をテーマに、ゴミを使って土を作ることで、人々が環境問題を直接意識できるパビリオンです。
建物の設計だけでなく、土を作る装置もこだわって作りました。

細かな部分にもこだわった土を作る装置

ーこの作品を作ろうと思ったのはなぜですか?

三上さん:
ビルが立ち並ぶ人工に囲まれた新宿という地で、人々に環境問題について考えてもらいたいと思ったからです。
建物を利用する人々に、より環境問題について意識してもらうためには、その建物の素材が環境に配慮されていることも重要ですが、それよりも、利用者が行動することで、環境問題について考えることができることが重要だと思います。その行動によって自然を取り戻すパビリオンを作りたいと思いました。

ー伊藤先生のコメント

伊藤先生:
人の活動が多く、ゴミが発生しやすいという新宿の特性を活かしている作品です。ゴミから作られた土のブロックは建築の材料になり、それを用いて色々なアプローチができるなど、多様な可能性を秘めたパビリオンだと思います。

他にも、エステック広場の空間を自由に使って、学生たちの柔軟な発想から生み出された独創的な作品がたくさん展示されていました。

建築デザイン学科 伊藤博之先生

ーこれから建築を学ぶ高校生へメッセージをお願いします!

建築とは、ものを使って環境を作ること。それに学生たちが素直に向き合うことで、今回展示されている作品へと繋がりました。
建築に対して、難しいイメージがあるかもしれませんが、素直に何を使って環境を作るかという意識があれば、みなさん自身のオリジナルな案になってゆきます。
ぜひみなさんも一緒に考えてみてください。

伊藤研究室の皆さん

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