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中目黒が舞台 建築学部で「お店屋さんごっこ」2024 Vol.1

建築デザイン学科 塩見研究室では、毎年、学部4年生の学生たちが「お店屋さんごっこ インテリアデザインのお勉強」と題した展示企画を開催しています。
8年目を迎える今年のコンセプトは、「ほらきて、わくわくがいっぱい。」。

今回のnote企画では、塩見一郎先生と研究室の学生2名に企画の趣旨や作品の見どころを伺いました。

インタビューに答えてくれた 迫佑華さん(左)、永井理彩さん(右)

建築学部生による「お店屋さんごっこ」とは?

ー「お店屋さんごっこ」はどんな企画ですか?

永井さん:
学生一人一人がトータルで店舗をプロデュースし、建築模型として形にする研究課題です。
設計やインテリアデザインなど建築分野のみならず、商品、サービス、コンセプトなどマーケティング分野まで、その店に関わるすべてのことを学生が提案し、より広範な視点で意匠設計にチャレンジする
のが、この企画の特徴です。お店の場所と躯体条件(建築構造を支える骨組み)のみが条件として決められています。

ーお店の舞台に選ばれた場所はどこですか?

迫さん:
今年の舞台は、中目黒の東京音楽大学代官山キャンパスの前です。
中目黒駅から徒歩約5分のこの場所は、大学の前ということで学生が多く集まる場所です。また、感性が豊かな人々が集まる場所でもあり、街には独自のコンセプトをもった個性的なショップが立ち並んでいます。

ー約10カ月かけて準備をしてきたとのこと。完成までの流れを教えてください。

永井さん:
3年生の秋に、お店を企画するところから始まりました。お店のコンセプト、ブランディングを形にしていく段階で、敷地調査や競合調査を行い、このお店でしか体験出来ない価値は何かを考えながらイメージを明確にしていきました。

迫さん:
その後、店内の動線計画を考え、店舗の設計や店内のレイアウト、インテリアデザインなどを検討していく作業にシフトしていきました。
12月には仮の模型を完成させ、研究室内で発表しました。そこでもらったアドバイスや意見を踏まえて、約4カ月かけて今回の展示までブラッシュアップを重ねました。

ー作成を通じて、1番大変だったことは何ですか?

迫さん:
躯体の条件です。前年度までは、2つの棟が同じ高さで1つに繋がっていた躯体であるのに対し、今年度は完全に分かれた2つの躯体でした。また、躯体の角度や階の高さが異なるため、同じ敷地にある完全に別空間の躯体に、どう繋がりをもたせるか、考案するのに苦戦しました。
この躯体条件をどう対処しているかは、見どころの1つでもあります。

ー塩見先生、この躯体を設定した狙いについて教えてください。

塩見先生:
インテリアデザインの場合、建築の躯体というよりも区画が決められた中で設計をするのですが、この課題では設計の自由度を上げるために、躯体はラーメン構造のみとし、さらに50平米の増築を許可することで、壁やスラブを自由に設定し個性あふれるショップデザインができるようにしています。
今回は2棟建てとし、片方の躯体に60度の角度をつけることで、計画の難易度を増しています。また高さも片方の躯体は9mと2フロアーで構成できることが容易に想像できますが、角度をつけた方は6mと中途半端な高さとし、ここにも創意工夫が見られるように、「意地悪な設定」としました。

それでは、ここからはインタビューに答えてくれた2名の作品を紹介していきます。

味噌汁専門店「明仄」

制作:永井 理彩

ープロデュースしたお店について教えてください。

永井さん:
私は、食事の脇役になりがちな味噌汁が主役の味噌汁専門店を企画しました。
ここでは日替わりの出汁や週替わりの味噌や具材を自分好みに組み合わせ、お味噌汁を作って楽しむことができます。
お店で味わって美味しかった味噌や、飲み比べの試飲ができるサービスを利用して、気に入った味噌を買うことができます。

ーお店のこだわり、見どころを教えてください!

永井さん:
お味噌汁を飲んでいただく空間づくり
に注力しました。
特に、ルーバーを用いたテラス席がこだわりです。視線をほどよく遮りながらも、外と中に繋がりを持たせた開放感のある特別な空間に仕上げました。

ー今回の躯体をどう活用しましたか?

永井さん:
異なる高さの躯体によってできた段差を利用したスキップフロアを設けました。空間を繋げたことで、開放感がありながらも落ち着ける雰囲気の内装に仕上げました。

リード楽器奏者のためのリード専門店「Re:d sonority」

制作:迫 佑華

ープロデュースしたお店について教えてください。

迫さん:
私は、音楽大学の目の前という立地を活かしてリード専門店を企画しました。リードとは、クラリネットやサックス・オーボエ・ファゴットなどの楽器の音源として用いられる小さな板のことです。リードは自然素材でできているため、繊細で個体差が激しく、入手したリードの7割は吹けないという現状があります。
私自身、中高で吹奏楽部に所属し、クラリネットを使用していた際に、いいリードに出逢うのに苦労しました。そこで、「運に頼るリード選びの常識を変えたい」という願いを込めて、お店を設計しました。
ここでは、自分だけのリードを作れる工房や、楽器を演奏する者同士が交流できるコミュニケーションの場が提供されています。

ーお店のこだわり、見どころを教えてください!

迫さん:
「みせる」工房のデザインにこだわりました。
自分のリードが作られていく様子を見てもらうことで購入者が安心できると感じ、あえて大空間に開放的な工房をつくりました。

ー今回の躯体をどう活用しましたか?

迫さん:
2つの躯体として空間が分かれていることを利用して、空間ごとに体験できる機能を分けました。1つの躯体は専門的な工房にし、もう1つの躯体はみんなで交流できるスペースにしました。

お店の場所と躯体条件を活用し、お二人のこだわりが詰まった魅力的なお店屋さんを紹介しました。

研究室のみんなで作り上げたお店屋さん

ー研究室のメンバーや塩見先生について教えてください。

永井さん:
研究室のメンバーを一言で表すと「凝り性」です。考えはじめたらとまらず、もっと正解があるのではないかと永遠に考えているメンバーばかり
です。
また、「みんなで取り組む課題」という意識が強く、積極的にメンバー同士で相談しあったり、時には一緒に考えたり、助け合いながら作品を作り上げました。

迫さん:
塩見先生は私たちの「お父さん」的存在です。
制作に困ったらまず先生に聞いてみようと思えるような人柄で、制作中に先生がいらっしゃる時は、みんなすぐに声をかけ、先生は質問攻めにあっています。

展示期間中、多くの学生が訪れました

Vol.1では、企画の趣旨や、永井さんと迫さんに作品の見どころをお伺いしました。
個性豊かな塩見研メンバーの作品紹介の続きは、Vol.2に続きます!


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