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「学ぶ楽しさ」を広げる!佐久市で出張ミニ科学教室を開催

建築学科 田村研究室では、学生の地域貢献活動と地元企業との協働プログラムの一環として、2009年から「コンクリくん」と題した出張ミニ科学教室を実施しています。

今年は、長野県佐久市で開催された「佐久平地域まるごとキャンパス」に参画し、現地の小中高生を対象としたワークショップを実施。また、それに合わせて、長野県内のコンクリート工場や砕石場、佐久市有形文化財を訪れるフィールドワークも行いました。田村研究室からは学生6名が参加し、住民の方々との交流を通じて、地域に根ざした活動の重要性を再認識するとともに、現場でしか得られない建築素材への深い理解を深める貴重な機会となりました。今回のnoteでは、これらの活動の様子をお届けします。

田村雅紀先生と研究室の皆さん

1日目 フィールドワーク開始!

はじめに訪れたのは、株式会社本久のコンクリート工場。普段何気なく目にするコンクリートがどのように製造されているのか、同社の社員の皆様から詳しいレクチャーを受けました。

初めて聞くお話しに聞き入る学生たち

続いて、生コンを製造する「バッチャープラント」を視察。ベルトコンベア内に入り、素材からコンクリートへと変化する過程を間近で体験しました。素材の粒度や硬さ、練り工程、検査工程など、コンクリート製造の工程を詳しく学びました。

見学したバッチャープラント
生コンの材料を運ぶベルトコンベヤー内に潜入
中には人が1人通れる通路があり、 生コンが調合される頂上まで、歩いて登りました

次に訪れたのは、湊総業株式会社の砕石場。コンクリートの原材料となる石や砂の採石過程を見学し、発破作業の瞬間にも立ち会いました。ダイナマイトを使った発破では、爆発音とともに山が崩れ落ちる様子に圧倒されました。

大迫力の瞬間
ダイナマイトで砕かれた石を間近で見学
採石に使用するダンプカーや重機
 並ぶとその大きさが際立ちます

最後に訪れたのは、佐久市の有形文化財・旧大沢小学校本館。築130年以上の歴史を持つ木造校舎は、近代木造校舎の先駆けとして知られ、文明開化期のデザインを部分的に取り入れながらも、堅牢な構造とシンプルで洗練された美しさが見どころです。
また、併設されている歴史民俗資料館では、昔の生活用品や農具など、地域の生活文化を伝える貴重な資料に触れ、地域の歴史を学ぶ良い機会となりました。

旧大沢小学校本館
入口の半円型の窓が特徴的です
文明開化を象徴する踊り場付き階段
見学のようす

2日目:「コンクリくん」を子どもたちにお届け!

2日目は、今回のメインイベントである、地域の子どもたちを対象としたワークショップ。田村研究室の学生が講師役となり、コンクリート製写真立ての制作を行いました
子どもたちは初めて触れる砂やセメントといった原材料に驚きながらも、楽しそうに作業を進めていました。完成した写真立てを大切そうに持ち帰る姿が印象的で、ものづくりの楽しさを実感してもらえたようです。

学生たちが丁寧にサポートします
完成した写真立て
参加した子どもたちと記念写真

このワークショップには、小中高生17名が参加。学生たちにとっても、地域の方々と交流する貴重な機会となりました。さらに、昨年このプログラムに参加した佐久の高校生が現在工学院大学建築学部に進学するなど、地域連携の成果が着実に広がっています。

建築学科 田村雅紀教授
「住まいを造る」の根本を、いつも地域の皆様にご協力いただきながら、学生に実体験してもらっています。コンクリ君の科学教室は、現地の方々への恩返しの意味もあります。去年このイベントに参加した高校生が、今年、建築学部1年生として田村のこてこての建築材料の授業を受講してくれています。ユーザーと連携した「ものづかい」の時代に、本格的に突入しています!

本プログラムに快くご協力いただいた、関係各社の皆様、ありがとうございました!