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小伊津町の魅力を発信する海辺カフェを考えよう! Day2

  2022年7月31日と8月1日の2日間、地元島根県立平田高等学校の地域協働学習プログラムとして、小伊津町に実在する漁師小屋を活かした海辺カフェを高校生と大学院生が提案するワークショップの様子を記載しています。Day2では2日目の様子をお伝えします。
Day1はこちらをご確認ください。


2日目は模型製作!

学生が以前制作した漁師小屋模型を用いて、本日の作業内容を確認。

 1日目にまとめたコンセプトシートをもとに、2日目は模型の制作に取り掛かります。大学院生が持参した建築模型製作用のアイテムを使いながら、漁師小屋を企画したカフェに仕立てていきます。模型製作は初めて体験する高校生も多く、冨永研究室の学生と共に内装の家具や外観などの細部まで作り込んでいきます。

インテリアもしっかり作り込みます

それでは各グループの作品を見ていきましょう!

A班 小伊津の家 ~町と観光客の憩いの場~
小伊津の風景を美しく切り取る写真によってまちとひとをつなぐ

小伊津の美しい景色に注目し、”映え”る景色が撮影できるテラス席の設置や、四季の小伊津の景色の写真を吊した”写真の海”を設置。漁師が使うガラス玉を活用した照明もしっかり作り込みました。

小伊津の景色が楽しめるカフェ
漁で使うガラス玉を活用した照明と四季の写真を吊るすカフェエリア

B班 海をながめるカフェ
時間によって「にぎやか」と「ゆったり」の2つの過ごし方が出来る場所

広いバルコニーや屋根を大きく切り取った天窓が印象的。バルコニーの設置は1日目に見学したお宅をヒントに、小伊津集落の特徴を盛り込んだカフェです。1階にはキッズスペースを設置し、家族連れが過ごしやすくしてあります。2階にはミニシアターを設置し、夜間は映画を楽しめる空間があります。観光客だけでなく、地元住民も楽しめるにぎやかでゆったりした空間が用意されています。

小伊津の風景を楽しめる天窓とテラス
2階にミニシアタースペースを設置(写真右側)

C班 Cafe「漁」
釣り人と海水浴客のためのカフェ×足湯

ターゲットを釣り人と海水浴客に絞ったのがC班のアイデア。町あるきをした当日も1人で釣りをする人やなぎさ公園で海水浴をする家族連れを見て、そのような人たちのニーズにあったサービスを考えました。釣り客向けに釣り具のレンタルや餌などの販売なや海水浴客向けのシャワーコーナーを設置。観光客のニーズを考えたカフェとなっています。漁の網をつかったグリーンカーテンが印象的です。

屋根には日光が入るような工夫がされています
漁で使う網をつかったグリーンカーテン

D班 波音と過ごす小伊津荘
カフェを中心に観光客・地元住民・高校生がつながる小伊津の新しい居場所

宿泊スペースを用意し、波音を聞きながら朝食が取れるようなカフェを中心に、観光客からのニーズが期待できるおでんやかき氷などの屋台コーナーも設置しています。高校生が小伊津の魅力をまとめたパネルを作成し、小伊津荘内で展示することで、地元住民・観光客・高校生の三者のコミュニケーションが創出されることが期待されるカフェです。

屋台コーナーでは季節に合わせてかき氷やおでんなどを販売
長く小伊津に滞在できるようにしたいと宿泊スペースを設置

E班  まったりカフェ
さまざまな観光客と地元住民がまったりできるカフェ

 観光客と地元漁師の接点から、シェアキッチンをカフェ内に設置することを提案したE班。漁港で獲れたばかりの魚介類などを購入し、その場で調理できるだけでなく、子連れのファミリー層を意識したキッズスペースをキッチンから近いところに作ることで子供を見守りながら地元の食材を楽しむことが出来る空間を考えました。室内にはハンモックやぶらんこを用意し、ゆったり景色を楽しめる工夫がされているほか、外にも子供が遊べる砂場も用意してあります。

小伊津で獲れた魚を調理できるレンタルキッチン

F班 漁師のカフェ
小伊津の漁業を体感できるみんなのカフェ

 小伊津の基幹である漁業の体感をコンセプトにしたカフェ。二層構造とする際に課題となる天井高のスペースを確保するために、床を下げることを提案しています。ゆったりと過ごすカフェエリアと漁師の方が働く漁業作業エリアに分けており、カフェでは小さな水槽を用意して魚への餌やりが体験できるコーナーや魚などのお土産が気軽に購入できるような直売所も設置しています。二層構造は多くのグループでも提案がありましたが、天井高対策もしっかり考えられているのが印象的でした。

左側にはミニ水族館を設置、右側に観光案内を用意しました
限られた天井高を活かすため、床を下げています

 参加した高校生のコメント(一部抜粋)

小伊津へ行って建物の特徴やそれぞれの暮らしを見ることができた貴重な体験だと思いました。それは大学生さんや小伊津の皆さん等の支えがあってだなと思います。コロナ禍の中でさまざまな方とふれあい、地域を巡り、自分達の目で見てというのは簡単なことではないです。地域にこのような集落があると気づくだけで終わらすのではなく、自分達で考えて一つのお店を造り出していく難しさをこれからは学校生活に繋げていきたいです。

将来島根県で働きたいと考えている私にとっては、こうして県外の方で島根に興味を持ち活動しておられる学生の皆さんと活動できて勉強になるとてもいい機会でした。地域の方のお話も知らないことばかりで多くの発見がありました。新たな島根の良さを発見し考えることができました。

冨永研究室 田坂 太樹さん コメント

ワークショップを行う上で、どうすれば高校生に楽しみながら取り組んでもらえるか、地元住民の方にも良い機会として提案できないか、小伊津を訪れた経験がない中で検討を重ねました。今回のワークショップの主役は高校生ではありましたが、私たちにとっても、建築の魅力をどのように伝えるかを考える貴重な経験となりました。

 参加した高校生は近くにある集落の魅力を再発見するだけでなく、建築の視点から、まちづくりを考える良い機会になったようです。冨永研究室の学生は、先生や先輩方が取り組んだ小伊津での研究内容などを参考にしながら、ワークショップの準備を行い、初めて建築に深く触れる高校生とのコミュニケーションはよい気づきがあったようです。

最後に冨永教授に今回のワークショップを実施してみたの感想をお聞きしました。

 冨永 祥子 教授 コメント

今回、高校生の皆さんや地元住民の方々と小伊津のポテンシャルを共有できたことは、次のフェーズへ繋がる大事な布石となりました。
私たちのような東京の大学の一研究室にできることは、
「他者の視点でその町や集落の魅力を見い出し、伝え、具体的なアクションに繋げること」です。
小伊津を訪れるたびに広がるご縁に感謝し、これからも皆さんと一緒に前へ進みたいと思います。

 建築の視点でまちを覗いてみると、面白い発見があるかもしれません。工学院大学建築学部では日本各地で建築やまちづくりの研究をさせていただいています。今後の活動も是非ご期待ください!
 参加された皆様、お疲れ様でした!!


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